保険会社の調査で保険金の給付対象外といわれ納得できない
2026/9/5 ・ 回答: 島田旭雄 公開事例から
相談事例(公開されているもの)
保険会社の調査で保険金の給付対象外といわれ納得できない。 (公開されている相談事例をもとにしています。この場に届いた相談ではありません。)
回答
この回答は、国民生活センター「自然災害に関連する消費者トラブルを未然に防ぐために-熊本地震から10年・東日本大震災から15年-」(2026-03-04)が公開している相談事例をもとに、運営者が「払う前に何を確認できたか」を型の記事から整理したものです。この場に届いた相談ではありません。事業者が同じ提案を受けたときも、確認する順番は同じです。
この型について
- 台風・地震・豪雨のあとに、「この地域は補償対象地域になった」「火災保険を使えば自己負担0円で修理できる」「保険の申請を代行する」という電話や訪問が来る。
- 修理の契約と、保険申請の代行の契約が、ひとつの話として進む。申請代行の手数料は「保険金の○%」で、修理をやめても手数料は請求される。
- 保険会社に連絡するのは相手で、こちらは書類に署名するだけ。申請に書く損害の内容を、自分では見ていない。
- 壊れていない箇所や、災害より前からの傷みを「申請できる」と勧められる。
- 「今なら申請できる」「期限がある」と急がされる。
国民生活センターは、熊本地震から10年、東日本大震災から15年にあたる2026年3月に、自然災害に関連する相談をまとめて公表しています。そこには、「補償対象地域になった」と電話がかかり、訪問してきた事業者と保険の申請代行を契約した事例、保険会社の調査で給付対象外とされた事例、地震のあとに屋根や分電盤の点検を持ちかけられて契約した事例が並びます。個人の住宅の話として書かれていますが、店舗・事務所・倉庫・社用車に損害保険をかけている事業者には、同じ順番で来ます。災害のあとに、保険金を当てにした支払いの話が、先に来る。
払う前に確認できたこと
- 契約の相手と中身を分ける。 「保険の申請代行」なのか、「修理工事」なのか、両方なのか。契約書の題名と当事者を見て、申請代行の手数料(保険金の何%か、定額か)と、工事代金を別々の金額として書いてもらう。
- 保険金が出なかった場合の支払いを書面で確かめる。 保険金が下りなかった、見積より少なかった、修理をやめた。それぞれの場合にいくら払うことになるか。「自己負担0円」は、保険金が満額出て、その全額を工事に使う前提の話であることが多い。
- 自分で保険会社に連絡する。 加入している保険の対象範囲、申請の方法、必要書類は、契約者本人が保険会社に聞けば分かる。相手に「保険会社には連絡しないでほしい」と言われたら、その理由を聞く。
- 申請に書く内容を自分で見る。 実際に壊れた箇所と、相手が「申請できる」と言う箇所が一致しているか。壊れていない箇所や、災害より前からの傷みを含めるよう勧められたら、そこで止まる。保険金は実際の損害に対して支払われる制度で、対象範囲は保険会社が判断します。
- 「補償対象地域」の根拠を出してもらう。 どの保険会社の、どの制度の話か。書面で出してもらい、自分の保険会社に事実かを確かめてから返答する。災害の直後には、地域名と制度名だけで信用させる電話が集中します。
- その場で決めない。 災害後は修理も申請代行も、複数の業者から見積もりを取る。訪問で契約した場合に使えるクーリング・オフという制度があるが、自分の契約に当てはまるかは、この場では判断しない。
相手に聞けた質問
そのまま読み上げるか、メールに貼り付けて使ってください。
- この契約は、保険の申請代行ですか、修理工事ですか、両方ですか。それぞれの金額(申請代行の手数料の計算方法、工事代金)を契約書に分けて書いてください。
- 保険金が下りなかった場合、見積より少なかった場合、修理を頼まなかった場合に、こちらが払う金額はいくらですか。書面で示してください。
- 「補償対象地域になった」というのは、どの保険会社の、どの制度の話ですか。根拠となる文書を見せてください。
- 申請に書く損害の箇所と内容を、提出前にこちらに見せてください。壊れた箇所の写真と、見積の項目は一致していますか。
- 自分で保険会社に連絡して申請し、修理だけをお願いすることはできますか。
- 書面を持ち帰って保険会社と他社に確認したいので、返答まで1週間いただけますか。
2 に答えない相手には払わない。3 の根拠が出ない話は、地域の話ではなく、その業者の営業の話です。5 に「できない」と答える理由を聞いてください。
いま同じ状況にいる人へ
払う前なら。 契約書、見積、相手の名刺、「補償対象地域」の説明を受けたメモを残して、保険会社に自分で連絡してください。相手には「保険会社に確認してから返答する」と伝えるだけで足ります。
契約してしまったなら。
- 申請書を出す前: 申請に書かれた内容を自分で確認し、実際の損害と違う箇所があれば、保険会社に自分から伝える
- 手数料や工事代金を請求された: 契約書に書かれた金額と条件を見て、相手に質問 1・2 を書面で聞く
- 訪問で契約した: クーリング・オフという制度がある。自分の契約に当てはまるかは、この場では判断しない
相談先は、事業としての契約なら日弁連 ひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)、個人としての契約なら消費生活センター(局番なし 188)です。
点検から工事の契約に進む型は こちら、役所や公的機関の名前を出して信用させる型は こちら にまとめています。
関連する型: 「保険金で修理できる」「補償対象地域になった」と言われて、保険の申請代行や修理を勧められたとき
参考: 国民生活センター「自然災害に関連する消費者トラブルを未然に防ぐために-熊本地震から10年・東日本大震災から15年-」(2026-03-04) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260304_1.html
関連する営業の型
この回答は判断ではなく、確認の手順と質問の整理です。契約の効力など法律に関わることは事業としての契約なら日弁連 ひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)、個人としての契約なら消費生活センター(188)にご相談ください。