営業の型

「稼げる」「仕事を紹介する」という話で、先にお金を払うよう言われたとき

この型の特徴

  • 「簡単な作業で稼げる」「案件を紹介する」「代理店になれば報酬が入る」「モニターになれば謝礼」という話が、SNS の広告、メッセージアプリ、電話で来る。
  • 最初に少額の報酬(数千円)が本当に振り込まれる。そのあと「高額報酬のタスクに必要」「失敗したので連帯責任」「報酬を送るための手数料」などの名目で、こちらが払う側になる。
  • 会社名が分からず、メッセージアプリのアカウントだけでやり取りしている。契約書がない。
  • 「後で返す」「返済は不要」と言われて、消費者金融からの借入を指示される。遠隔操作アプリを入れさせられ、借入や送金を代わりに操作される。借りたお金を暗号資産に換えて送るよう言われる。

国民生活センターには、20〜30代を中心にこの形の相談が急増していると公表されています(2026年5月)。個人向けの「副業」の話ですが、開業したばかりの個人事業主や、売上が欲しい経営者に来る「案件を紹介するので登録料を」「代理店契約に研修費を」「仕事を出すので機材を買って」という提案は、同じ順番です。収入を得るはずの話で、先にこちらが払う。

払う前に確認すること

  1. 順番を見る。 収入を得る話なのに、報酬より先にこちらが払う。この順番になった時点で止まる。名目が「登録料」でも「研修費」でも「保証金」でも「連帯責任」でも同じで、払わなければ報酬が出ない話は、報酬の話ではなく支払いの話です。
  2. 相手が誰かを書面で確かめる。 会社名・所在地・法人番号・固定電話番号。メッセージアプリのアカウントしか分からない相手、契約書のない相手には払わない。法人番号で登記上の所在地を照会する。
  3. 最初の少額の報酬は判断材料にしない。 少額を先に振り込んでから、高額の支払いを求める流れが目立ちます。
  4. 借入を指示されたら、その場で断る。 「後で返す」「返済は不要」と言われても、借入は自分の名義で残ります。遠隔操作アプリは入れない。
  5. 暗号資産、ギフトカード、個人名義の口座への送金を求められたら、そこで止まる。 まともな業務委託の支払いにその方法は使われません。
  6. 業務の中身と報酬の計算方法を書面で確かめる。 何を、いつまでに、どれだけ。報酬はいくらで、いつ払われるか。書けない業務に対価はありません。

相手に聞く質問

そのまま読み上げるか、メールに貼り付けて使ってください。

  1. 報酬を受け取る前に、こちらが払う金額はありますか。名目と金額をすべて書面で示してください。
  2. 会社名・所在地・法人番号・固定電話番号を教えてください。契約書を送ってください。
  3. 業務の内容(何を、いつまでに、どれだけ)と、報酬の計算方法・支払日を書面で示してください。
  4. 支払いは請求書払い(法人口座への振込)にできますか。それ以外の方法を求める理由を教えてください。

1 の答えが「あります」なら、この型です。2 に答えない相手とは、それ以上話す理由がありません。

気になる点があるとき

払う前なら。 やり取りを止めるだけで終わります。相手のアカウント、広告、送られてきた画面は、消さずに保存してください。

払ってしまった、借りてしまったなら。

  • 振り込んだ: 振込先の銀行と、警察相談専用電話(#9110)に連絡する
  • 借入をさせられた: 借入先の消費者金融に事情を伝え、警察(#9110)に相談する。返済の義務についての判断は、この場ではしません
  • 遠隔操作アプリを入れた: ネットワークを切ってアンインストールし、パスワードとネットバンキングの設定を変える

相談先は、個人としての契約なら消費生活センター(局番なし 188)、事業としての契約なら日弁連 ひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)です。

「紹介・斡旋」に固定費がついている型は こちら、遠隔操作ソフトを入れさせる型は パソコンに突然「ウイルスに感染」の警告が出たとき にまとめています。


参考: 国民生活センター 発表情報「簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルに注意!」(2026年5月19日)。

この型で確認すること

確認手順

  1. 収入を得る話なのに、先にこちらが払う。この順番になった時点で止まる。「登録料」「研修費」「機材代」「保証金」「連帯責任」「報酬を送るための手数料」など名目は何であれ、払わなければ報酬が出ない話は、報酬の話ではなく支払いの話。
  2. 相手の会社名・所在地・法人番号・固定電話番号を書面でもらう。メッセージアプリのアカウントしか分からない相手、契約書のない相手には払わない。法人番号で登記上の所在地を照会する。
  3. 最初の少額の報酬は判断材料にしない。少額を先に振り込んでから高額の支払いを求める流れが目立つ。
  4. 借入を指示されたら、その場で断る。「後で返す」「返済は不要」と言われても、借入は自分の名義で残る。遠隔操作アプリを入れさせて借入や送金をさせる形もある。入れない。
  5. 暗号資産やギフトカード、個人名義の口座への送金を求められたら、そこで止まる。まともな業務委託の支払いにその方法は使われない。
  6. 業務の中身(何を、いつまでに、どれだけ)と報酬の計算方法、支払日を書面で確かめる。書けない業務に対価はない。

相手に聞く質問

  1. 報酬を受け取る前に、こちらが払う金額はありますか。名目と金額をすべて書面で示してください。
  2. 会社名・所在地・法人番号・固定電話番号を教えてください。契約書を送ってください。
  3. 業務の内容(何を、いつまでに、どれだけ)と、報酬の計算方法・支払日を書面で示してください。
  4. 支払いは請求書払い(法人口座への振込)にできますか。それ以外の方法を求める理由を教えてください。

この型に関する回答

自分の案件で確認することを整理するには 質問票 を使ってください。