営業の型

「太陽光パネルの点検が義務化された」と言われ、無料点検のあとに洗浄やコーティングを勧められたとき

この型の特徴

  • 「太陽光発電設備の点検が法律で義務化された」「パネルによる火災事故が起きている」と、突然の訪問や電話で言われる。点検は無料だと言う。
  • 後日、ドローンやサーモカメラで点検し、「赤くなっている」「このままでは長く使えない」と説明して、パネルの洗浄・コーティング・部品交換の契約を勧める。点検の日にその場で契約書を出す。
  • 「義務」の根拠、対象になる設備の条件、点検の中身を聞いても、書面で示さない。
  • 既存のメーカー保証や施工保証、保守契約の話が出ない。

国民生活センターには、この型の相談が 2023 年度に 304 件、2024 年度に 613 件寄せられたと公表されています(2025 年 6 月)。相談事例では、無料点検のあとに洗浄とコーティングで約 40 万円の契約をしています。住宅向けの話ですが、工場・倉庫・事務所の屋根や、自社で持つ低圧の発電所に来る「点検が義務化された」「無料で点検する」という提案は同じ順番です。無料の点検が、有料の工事の入口になっている。

太陽光発電設備の維持管理については、電気事業法や再エネ特措法に基づく制度があり、点検の対象になるかは FIT・FIP 制度の利用の有無や出力によって異なります。自社の設備が対象かどうかは、この場では判断しません。営業してきた相手ではなく、設置業者・メーカー・保守契約の相手・所管の行政機関の窓口に確かめてください。

払う前に確認すること

  1. 「義務化」を営業した相手以外で確かめる。 どの法律・制度の話か、自社の設備(出力、FIT・FIP 認定の有無)が対象かを、設置業者・メーカー・保守契約の相手・所管の行政機関の窓口に聞く。相手の説明だけで「義務だから」と契約しない。
  2. 無料点検の前に、点検の中身と、そのあとに何を提案するかを聞く。 何を、どの機器で、どれくらいの時間見るのか。点検の後に提案する可能性のある工事・商品と価格帯。答えない相手の点検は受けない。点検の日に契約書を出されても、その場では書かない。
  3. サーモ画像やドローン映像を、その場で判断材料にしない。 「赤くなっている」は温度の差を示すだけで、洗浄やコーティングで変わるかは別の話です。画像と数値のついた報告書をもらい、設置業者かメーカーに見せてから決める。
  4. 既存の保証と保守契約を先に読む。 メーカー保証、施工保証、保守契約の期間と条件。別の業者が洗浄やコーティングをすると保証の対象外になる場合があるので、施工の前に保証の相手に聞く。
  5. 見積もりは項目ごとに、複数社から。 枚数・面積・単価・作業内容・効果の持続期間・再施工の条件。訪問や電話で来た提案は、書面を持ち帰ってから同じ条件で比べる。急がせる相手には理由を聞く。
  6. 発電量の記録を自分で見る。 モニターや売電明細で、発電量が落ちているかを確かめる。落ちていないのに洗浄やコーティングを勧められている場合、その工事の目的は何かを聞く。

相手に聞く質問

そのまま読み上げるか、メールに貼り付けて使ってください。

  1. 「点検が義務化された」というのは、どの法律・制度のことですか。当社の設備(出力、FIT・FIP 認定の有無)が対象になる根拠を書面で示してください。
  2. 無料点検の内容(何を、どの機器で、何分)と、点検の後に提案する可能性のある工事・商品とその価格帯を、点検の前に教えてください。
  3. 点検の結果を、画像と数値のついた報告書でもらえますか。設置業者やメーカーに見せて判断してよいですか。
  4. 洗浄・コーティングの見積もりを、枚数・面積・単価・作業内容・効果の持続期間・保証の有無を項目ごとに書いてください。
  5. この施工でメーカー保証や施工保証に影響が出るかを、確認したうえで書面で回答してください。
  6. 書面を持ち帰って複数社と比べたいので、返答まで2週間いただけますか。

1 に書面で答えない相手の「義務」は、判断材料になりません。3 で報告書を渡さない、他社に見せることを嫌がる相手とは、それ以上進める理由がありません。

気になる点があるとき

払う前なら。 返答を保留するだけで終わります。名刺、点検の画像、見積書、契約書の案は、消さずに保存してください。

契約してしまった、払ってしまったなら。

  • 契約書・見積書・点検報告書・領収書を揃え、契約した日と書面を受け取った日を書き出す
  • 訪問や電話で契約した場合、書面を受け取った日から一定の期間内に申し出る制度があります。事業としての契約に当てはまるかは、この場では判断しません。期間が短いので、日付を確かめたうえで早めに相談先へ
  • 施工が済んでいる場合は、設置業者かメーカーに施工内容を伝え、保証への影響を確かめる

相談先は、事業としての契約なら日弁連 ひまわりほっとダイヤル(0570-001-240)、個人としての契約なら消費生活センター(局番なし 188)です。

屋根や外壁の「無料点検」から工事につながる型は こちら、既存の保証や契約期間内の工事を確かめる型は こちら、「行政の関係で」「みんな契約している」という前置きの型は こちら にまとめています。


参考: 国民生活センター 発表情報「太陽光発電システムの点検商法が急増!-「点検が義務化された」などと言われても、安易に契約せず、まずは点検の要否を確認しましょう-」(2025年6月4日公表、2025年9月22日更新)。

この型で確認すること

確認手順

  1. 「点検が義務化された」という説明は、営業してきた相手ではなく別のところで確かめる。太陽光発電設備の維持管理について、電気事業法や再エネ特措法に基づく制度があり、対象になるかは FIT・FIP 制度の利用の有無や出力によって異なる。自社の設備が対象かは、設置業者・メーカー・保守契約の相手・所管の行政機関の窓口に聞く。この場では判断しない。
  2. 無料点検を受ける前に、点検の内容(何を、どの機器で、どれくらいの時間)と、点検の後に提案する可能性のある工事や商品を聞く。無料点検のあとに洗浄・コーティング・部品交換の契約が続く順番が目立つ。点検の日に契約書を出されても、その場では書かない。
  3. サーモカメラの画像やドローンの映像を、その場で判断材料にしない。「赤くなっている」は温度の差を示すだけで、それが洗浄やコーティングで変わるかは別の話。点検結果は画像と数値のついた報告書でもらい、設置業者かメーカーに見せてから決める。
  4. 既存のメーカー保証・施工保証・保守契約を先に確認する。別の業者が洗浄やコーティングをすると、保証の対象外になる場合がある。保証書と保守契約書を出して、対象の期間と条件を読んでから返答する。
  5. 見積もりは、枚数・面積・単価・作業内容・効果の持続期間・再施工の条件を項目ごとに書いてもらい、同じ条件で複数社から取る。訪問や電話で来た提案は、書面を持ち帰ってから比べる。急がせる相手には理由を聞く。
  6. 発電量の記録(モニターや売電明細)を自分で見る。発電量が落ちていないのに洗浄やコーティングを勧められている場合、その工事の目的は何かを聞く。

相手に聞く質問

  1. 「点検が義務化された」というのは、どの法律・制度のことですか。当社の設備(出力、FIT・FIP 認定の有無)が対象になる根拠を書面で示してください。
  2. 無料点検の内容(何を、どの機器で、何分)と、点検の後に提案する可能性のある工事・商品とその価格帯を、点検の前に教えてください。
  3. 点検の結果を、画像と数値のついた報告書でもらえますか。設置業者やメーカーに見せて判断してよいですか。
  4. 洗浄・コーティングの見積もりを、枚数・面積・単価・作業内容・効果の持続期間・保証の有無を項目ごとに書いてください。
  5. この施工でメーカー保証や施工保証に影響が出るかを、確認したうえで書面で回答してください。
  6. 書面を持ち帰って複数社と比べたいので、返答まで2週間いただけますか。

この型に関する回答

自分の案件で確認することを整理するには 質問票 を使ってください。